#5 3年F組の西畑くんからお手紙が届きました

3年F組のおいなりです。

一応、名乗っとく(笑)

 

大吾くんから素敵なお手紙をもらったので虚妄しました、、、

(解釈の不一致あったらそっと目を閉じてください)

 

幼稚園からの幼馴染のだいちゃん

 

昔は『だいちゃん!』「〇〇!」って呼び合ってた。

でも、中学を卒業する頃、「〇〇ってあいつのことが好きらしいで」って、根も葉もない噂が回って、

いつの間にか、だいちゃんとはほとんど話さなくなってしまった。

 

本当は昔からだいちゃんの背中ばっかりみてて、他の人なんか見たことないのに。

 

「あんた、あいつのこと好きなん?」

一回だけ聞かれた。

「違う、だいちゃんのこと、、、」

って喉まででかかったけど、

今までの関係が壊れてしまう怖さで、何も言い返せなかった。

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そのまま、地元の1番近い高校に行くことになって、入学式に行ったらだいちゃんも同じ学校だった。

「またあんたと一緒やん(笑)」

って話しかけてくれたけど、うまく笑えんくて、「そうやね」って言うのが精一杯やった。

 

それから、2年が経って、帰ろうとしたら何か手紙が入ってた。

 

 

3年F組の西畑です。

一応、名乗っとく(笑)

 

書き出しがだいちゃんらしくて、思わず笑ってしまった。

 

突然の手紙で驚かせてごめん。

直接やと言うのが恥ずかしいから手紙書かせてもらうな。

 

あんたとは幼稚園からの幼馴染やから結構な付き合いになるでな。

ずっと仲良かったけど、高校に上がってからは

ちょっと疎遠になってたやん。

どんどんあんたが綺麗になっていって、色んな男と話してるの

見てたらなんでかわからんけど複雑な気持ちになった。

でもやっと自分の気持ちがわかった。

だから、明日の放課後、教室で話したい。

 

待ってる。

                          西畑大吾

 

最後まで読んだら、涙が止まらんかった。

幼馴染で、ずっとだいちゃんのことだけ見てるんやから、

言いたいことなんかすぐにわかっちゃうやん。

確かめたいことは山ほどあるのに、今すぐ話したいのに。

 

そんな気持ちで手紙をカバンになおして帰ろうとしたら、たまたま会ってしまった。

「あんた、何泣いてんねん」

『何って、これ、なんなんよ!』

 

だいちゃんの胸に手紙を押し付ける

 

「あぁ、読んだん?」

 

『読んでなかったら、こんなんなってへん』

「今から、時間ある?一緒に帰らへん?」

 

昔からだいちゃんと通ってた帰り道、何も喋れへんまま昔遊んでた公園に通りかかった。

「せっかくやから、寄って行こうよ」

2人でブランコばっかりしてた公園のベンチに座った。

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「あんたのこと、好きやった」

 

だいちゃんは、思ってた通りの言葉を口にした。

わかってたはずやのに、なぜか涙が止まらんかった。

「だいちゃん、、、、、」

やっと言えたのは、それだけだった。

 

「なんやねん、もう〇〇は昔から泣き虫なとこほんまに変わらへんな」

って頭をそっと撫でてくれる。

「その涙は嬉し涙なん?」

黙って頷いたけど、大ちゃんの顔は見れない。

 

「あいつのこと好きやったんとちゃうん?」

『違うし、私はずっとだいちゃんが、、、、』

「なんやねんあの噂」

『知らんし、』

「俺、アホみたいやな」

『ほんっまにアホ』

 

いつまでも泣いてたら、そっとだいちゃんが胸を貸してくれた。

「昔、だいちゃんのおよめさんになるとか言うとったん誰やっけなあ〜」(笑)

とか言って、ふざけてたらいつの間にか涙は止まっていた。

 

「泣き止んだ?」

『ん…』

「泣くほど好きなん?」

って意地悪な顔で覗き込んでくるから

『だいちゃんのアホ、、、、、』って殴ろうとした。

 

そしたら、その手を握ってきて

「帰ろ」って笑ってた。

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feat.Kaho